お口の怪我、外傷
- 野球のボールが当たった
- バスケットボール中に、ひじが当たった
- 運動中に転んで、顔からぶった
- 跳び箱で歯を打った
ケガや事故などで、歯が抜けてしまったり、唇を切ってしまったりした状況などに対応します。
特に子どもの時期は体幹が安定せず、転倒し、顔をぶつけることがあります。
それによって生じた歯の外傷(歯の打撲・欠けた・出血したなど)は、早期の対応が必要です。
当院では1台を常に急患枠として空けてある為、当日からお電話頂けたら治療のご案内が出来ます。
お困りの際はなるべく早くご連絡ください。
【来院する前に】ご自身でできる応急処置
折れた歯について
歯の根っこには、「歯根膜」と呼ばれる大事な細胞が付着しています。
地面に落ちたりしても、ティッシュで拭ったりしないでください。
泥がついたままでよいので、そのまま生理食塩水か牛乳に漬けて、当院にお持ちください。
お口の傷について
可能であれば、泥を流水で洗浄してください。
その後、止血のために、清潔なガーゼで傷口を圧迫してください。
受診にあたってのお願い
歯の外傷は早期治療が肝心です。
学校・仕事ももちろん大事ですが、受診を優先しましょう。
外傷への対応は、早めの対応で、歯が残るかどうかが大きく変わります。
時間が経過すると、治療の成功率が低くなり、また治療の難易度も上がってしまいます。
早退するか、休んで受診することをご検討ください。
ただちに受診が望ましい場合
歯が抜けた
歯の位置がずれている
出血している 顔面に明らかな傷(切り傷、裂けた傷口)がある
なるべく早めに受診した方が良い場合
転倒
スポーツ中の外傷 下記のような場合は早期の受診が必要です
外傷歯の分類・診断と治療方法
外傷歯の分類
外傷歯は大きく以下のように分類されます。
歯冠破折:歯の冠部分が折れる状態。
歯根破折:歯の根部分が折れる状態。
脱臼:歯が完全に抜ける状態。
亜脱臼:歯が部分的に抜ける状態。
脱臼転位:歯が位置をずらしている状態。
外傷歯の診断
診断には視診、触診、X線撮影が重要です。
視診では歯の見た目や色の変化、位置の異常を確認します。
触診では歯の動揺度や周囲組織の腫れ、痛みをチェックします。
X線撮影では歯根や歯槽骨の状態を確認します。
外傷歯の治療方法
歯冠破折の治療
エナメル質のみの破折
エナメル質のみの破折であれば、歯の尖った部分を削って滑らかにすることが主な治療法です。
場合によってはコンポジットレジンを使用して修復します。
象牙質までの破折
象牙質まで達する破折の場合、破折部分をレジンで補填します。
象牙質が露出していると、歯髄への感染リスクが高まるため、迅速な治療が必要です。
歯髄までの破折
歯髄まで達する破折の場合、根管治療が必要となることがあります。
破折部が大きい場合は、クラウンを被せることもあります。
歯根破折の治療
歯根破折の治療は、破折の位置や程度に応じて異なります。
歯根が歯肉線より下で破折している場合、抜歯が必要となることがあります。
一方、歯肉線より上での破折の場合、歯根を固定して自然治癒を待つことがあります。
また、歯内療法(根管治療)が必要になる場合もあります。
脱臼の治療
脱臼した歯は、速やかに元の位置に戻す必要があります。
完全に脱臼した歯は、迅速に再植することが重要です。再植の成功率は、再植までの時間に大きく依存します。
再植後は、歯を固定して安定させ、抗生物質の投与や経過観察を行います。
亜脱臼の治療
亜脱臼した歯は、元の位置に戻し、固定することが必要です。
固定期間は、通常2〜4週間程度ですが、歯根の成長状態や損傷の程度によって異なります。
経過観察も重要で、歯髄の状態を定期的に確認する必要があります。
脱臼転位の治療
脱臼転位の治療は、歯を元の位置に戻すことが主な目的です。
適切な位置に戻した後、歯を固定し、固定期間中は柔らかい食事を摂取するよう指導します。
固定期間終了後も、定期的な経過観察が必要です。
外傷歯の予後と管理
外傷歯の予後は、初期対応の迅速さや適切な治療に大きく左右されます。
適切な治療が施されれば、多くの場合、歯の機能と美観を維持することができます。
ただし、外傷の種類や程度によっては、長期的なフォローアップが必要となることがあります。